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モディリアーニの石彫《Tête》、半世紀以上同一家族が所蔵してきた一点が初めてオークションへ フィリップス11月イブニングセール

モディリアーニの石彫《Tête》、半世紀以上同一家族が所蔵してきた一点が初めてオークションへ フィリップス11月イブニングセール

フィリップス・オークションは、11月17日にニューヨークで開催する近・現代美術イブニングセールのハイライト作品として、アメデオ・モディリアーニの彫刻《Tête》を出品する。本作は半世紀以上にわたって同一家族のコレクションに収められてきた。オークションに出品されるのは、今回が初めてとなる。

アメデオ・モディリアーニ ; Tête, 1911-1912; 約73.7 × 30.5 × 22.9 cm; 予想落札価格:2,800万〜3,500万米ドル (約44億~55億円)
アメデオ・モディリアーニ ; Tête, 1911-1912; 約73.7 × 30.5 × 22.9 cm; 予想落札価格:2,800万〜3,500万米ドル (約44億~55億円)

ひとつの石灰岩から彫り出された頭部像

《Tête》は、1911年から1912年にかけて、ひとつの石灰岩の塊から彫り出された作品だ。モディリアーニの代表的な頭部像シリーズに属している。このシリーズは、作家の彫刻表現の頂点であると同時に、初期モダニズムを象徴する重要な作品群として広く認識されている。

モディリアーニが生涯に制作した石彫作品は約28点。その大半は現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ロンドンのテート、パリのポンピドゥー・センター国立近代美術館など、世界の主要美術館に収蔵されている。《Tête》はシリーズのなかでもとりわけ重要な作品のひとつとされ、高さ約30インチ(約76cm)に迫るその規模は、いまも個人コレクションに残る数少ない作品のなかでも最大級を誇る。

「直彫り」に打ち込んだ転換期の成果

本作が生まれたのは、モディリアーニのキャリアにおいて、短期間ながらも決定的な転換をもたらした時期だった。当時の彼は彫刻制作、なかでも石材から直接形を彫り出す「直彫り」の技法にほぼ専念していた。ミケランジェロのように石の内部に潜む像を解き放つことを目指したその制作には、親交の深かったコンスタンティン・ブランクーシからの影響も色濃く表れている。

古今東西の多様な芸術表現から幅広く影響を受けたモディリアーニは、引き伸ばされたフォルム、抑制された幾何学的造形、そして強い精神性を特徴とする、革新的な彫刻表現を生み出した。《Tête》は、そうした芸術的構想が初期の段階で、しかも極めて完成度の高いかたちで結実した作品のひとつだ。

実現しなかった「美の神殿」の柱として

頭部像のシリーズは、モディリアーニが構想しながらも実現には至らなかった「美の神殿」の一部として制作されたものだ。カリアティード(女性像柱)として建築を支える柱の役割を担うことが想定されていた。これらの彫刻は、彼に影響を与えた古代の芸術的伝統と、モダニズムの革新的な造形言語を結びつけるものとして、作家の創作活動の中核を占めている。制作から1世紀以上を経た今日も、《Tête》は20世紀彫刻の礎を築いた重要な成果のひとつとして、モディリアーニの比類なき芸術的野心を伝え続けている。

スペシャリストが語る本作の意義

フィリップス・オークションのアメリカ地域副会長兼近・現代美術部門シニア・インターナショナル・スペシャリスト、ジェレマイア・エヴァーツは、本作について、美術史における極めて重要な位置づけをはじめ、モディリアーニの彫刻がこれほど高く評価される理由のすべてが凝縮されていると語る。さらに、古代エジプト、キクラデス諸島、アフリカの美術から、20世紀初頭のモダニズムがもたらした革新的な表現に至るまで幅広い影響を受けながら、数千年にわたる芸術の伝統をつなぎ、紛れもなくモディリアーニ独自の表現を備えていると述べた。美術館に収蔵されず、いまなお個人の手に残る数少ない作品のひとつであることから、コレクターにとってはまたとない機会になるとの見方も示している。

好調な市場の流れのなかで

今回の出品は、モディリアーニの彫刻作品に対する国際的な需要が続くなかで実現するものだ。彼の彫刻は、全作品のなかでも最も希少かつ重要な作品群のひとつとして広く評価されている。フィリップスは、2026年春季シーズンのオークション総売上高が前年同期比60パーセント以上の増加を記録し、5月に開催した近・現代美術イブニングセールの落札総額も前年同時期の同セールの2倍以上に達したとしている。同社は、こうした春季オークションシーズンの好調な結果を受け、今回、このような重要な作品を世界のコレクターに紹介することで生まれた勢いを、今後もさらに発展させていきたい考えだ。優れた保存状態、圧倒的な存在感、卓越した来歴を備えた《Tête》の出品について、同社はコレクターにとって極めて稀有な機会になると位置づけている。

  • オークション:2026年11月17日
  • 下見会:2026年11月7日〜17日
  • 会場:432 Park Avenue, New York, NY

出典:Phillips Auctioneers Limited

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