夕暮れから閉館までのおよそ1時間だけ現れる光 彫刻の森美術館で髙橋匡太の新シリーズ「atmos」を初披露


日没とともに立ち上がる、時間限定の光の展示
神奈川県箱根町の彫刻の森美術館で、光のアーティスト・髙橋匡太による展示「atmos」が、2026年11月28日(土)から2027年1月11日(月・祝)まで開催されます。鑑賞できるのは16:00頃~17:00。日が傾き、森が夜の表情へと移っていく夕暮れから閉館までのおよそ1時間に限った展示です。
デビューから30年にわたって光の作品を手がけてきた髙橋は、今回あらためて「光」という素材の原点に立ち返り、新シリーズ「atmos」を制作しました。本展がその初披露の場となります。展示が行われるのは、森の足湯前広場、ガブリエル・ロアールの《幸せをよぶシンフォニー彫刻》、そしてカフェです。沈んでいく太陽の余韻、光と彫刻、森を包む空気が重なり合い、昼間とは異なる美術館の姿が描き出されます。

太陽・大気・大地をモデルにした「atmos」
広場のコンクリートに結ばれる、たゆたう光の像
展示の中心となるのは、森の足湯前広場に設置される作品です。直径5mの円形コンクリートの外周に、照明器具とカラープレート「atmos」を取り付けた照明ポールを配置。プレートを透過した光がコンクリート面に投影されます。多色のプレートを通った光は柔らかく屈折し、色が混ざり合うような抽象的な像を描き出します。プレートがゆっくりと動くのにあわせて、光の像もゆるやかに揺らぎながら姿を変えていきます。
この構成の背景にあるのは、私たちが世界を視ることができるのは太陽光の一部である可視光線があるからだ、という視点です。可視光線が大気中の水蒸気などによって反射・屈折・回析することで色彩が生まれ、虹や夕焼けの美しい色も大気がつくり出しています。人工の光がカラープレートを透過して地面に届く仕組みは、太陽光が大気を通り抜けて地上に届くさまをモデルにしたもの。太陽・大気・大地という環境のなかでの光のありようから着想を得て、「atmos」は生まれました。
シンフォニー彫刻のライトアップと、カフェの「光の絵画」
広場の「atmos」の正面に立つシンフォニー彫刻も、展示にあわせて髙橋がライトアップします。彫刻の内部から外側へ向けて光を投射することで、外からステンドグラスの輝きを楽しめる演出です。空へ向かって伸びる彫刻の光と、地面に広がる「atmos」の光が垂直と水平の対比を生み、広場全体がひとつながりの空間となることが意図されています。
カフェには壁面作品「atmos」が展示されます。カラープレートを透過した色彩の光が壁一面に映し出され、光の絵画として空間を彩ります。カフェで過ごすうちに、夕暮れ時からゆっくりと現れてくる光に少しずつ包まれていく構成です。日没の余韻のなかで、彫刻の森の空間と作品を静かに味わう時間を紡ぐことが、本展の目指すところとされています。

作家・髙橋匡太について
髙橋匡太は1970年京都生まれ、京都在住の美術家です。1995年に京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。光や映像によるパブリックプロジェクション、インスタレーション、パフォーマンス公演など、国内外で幅広く活動しています。京都市京セラ美術館、東京駅100周年記念ライトアップ、十和田市現代美術館など、建築物へのライティングプロジェクトではダイナミックで造形的な光の作品を生み出してきました。また「夢のたね」「ひかりの実」「ひかりの花畑」など、多くの人とともにつくる大規模な参加型アートプロジェクトも数多く手がけています。
受賞歴には、1995年キリンコンテンポラリーアワード’95最優秀作品賞、2005年京都府美術工芸新鋭選抜展2005最優秀賞、2010年京都市芸術新人賞、第34回京都美術文化賞、日本空間デザイン賞2022 KUKAN OF THE YEAR2022, エンターテイメント&クリエイティブ・アート空間部門 金賞、京都府文化賞功労賞などがあります。
開催概要
- 企画名:atmos
- 作家:髙橋匡太
- 会期:2026年11月28日(土)− 2027年1月11日(月・祝)
- 会場:彫刻の森美術館(森の足湯前広場、ガブリエル・ロアール《幸せをよぶシンフォニー彫刻》、The Hakone Open-Air Mueum Café)
- 開館時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
- 鑑賞可能時間:16:00頃~17:00
- 料金:美術館入館料(大人 2,000円、大学・高校生 1,600円、中学・小学生 800円、未就学児 無料)※Webチケット割引、団体割引、障害者割引あり。学生は証明書の提示が必要
- 休館日:なし(年末年始含め年中無休)
- 主催:公益財団法人彫刻の森芸術文化財団
- 協力:カラーキネティクス・ジャパン株式会社
- 制作協力:白石晃一
彫刻の森美術館の所在地は神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121(電話:0460-82-1161)。電車の場合は箱根登山鉄道「彫刻の森」駅から徒歩2分です。車の場合は、東名高速道路厚木ICから小田原厚木道路、西湘バイパスを経由して箱根口ICより約25分、または東名高速道路御殿場ICより約40分となっています。










