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アートNEWS

廃棄物が国境を越えてアートになる——日・タイ企画「EChOes of Waste」がバンコク・サイアム高島屋で開催

廃棄物が国境を越えてアートになる——日・タイ企画「EChOes of Waste」がバンコク・サイアム高島屋で開催

株式会社ACTA PLUS(山口県周南市、代表取締役:橋本季和子)は、同じグループの株式会社中特ホールディングスと共に、日・タイ国際文化交流企画「EChOes of Waste(廃棄物のこだま)」を10月1日〜15日に開催しました。会場はタイ・バンコクのサイアム高島屋です。同社は「持続可能性の正論を憧れに。」をスローガンに掲げています。この企画は、来年の日・タイ修好140周年に向けたもので、在タイ日本国大使館やバンコク都(BMA)をはじめとする両国の公的機関の支援を受けて実現しました。

展示作品(「"生きがい"ランド」 SNACKBAGBOY)
展示作品(「"生きがい"ランド」 SNACKBAGBOY)

「もったいない」と「足るを知る経済」が交わる場所

企画の出発点は、2027年に迎える日・タイ修好140周年の記念です。日本の「もったいない」と、タイの「足るを知る経済」。異なる文化の中で育まれた、ものや資源を大切にする二つの考え方が背景にあります。日本とタイのアーティスト8名が、それぞれの国で見放され、見捨てられた素材を用いて表現することで、両国の文化や価値観を交わし、持続可能な未来を共に考える場として構想されました。

コンテンツの柱は三つです。表現の美しさや面白さを味わう鑑賞体験、アーティストによるトークセッション、そして身近な廃棄物から実際に作品をつくるワークショップ。百貨店の一般来館者に加え、日・タイの公的機関や民間企業の関係者も、アートやサステナビリティを目的に会場へ集いました。

制作風景:しばたみなみ
制作風景:しばたみなみ

滞在制作からオープニングまで

制作には日本とタイの素材が使われました。日本からは3名のアーティストがバンコクでの滞在制作に参加しています。現地の住民と交流しながら素材を現地で調達し、作品19点を生み出しました。

初日の10月1日には、オープニングセレモニーが開かれました。タイ王国駐箚日本国特命全権大使の大鷹大使、Chadchartバンコク都知事の代理として出席したLertluck Leelaruangsangバンコク都副事務次官をはじめ、日タイ両国の来賓が出席しました。アートと資源循環という共通のテーマのもと、両国の関係者が顔をそろえる機会となりました。

現地のインターナショナルスクール、St Andrews International School Bangkokとの連携により、児童も参加しました。会場には、子どもたちが授業で廃材を使って制作したアート作品も展示されました。次世代の創造性を社会に紹介する場にもなっています。

制作風景:苫米地正樹
制作風景:苫米地正樹

参加アーティストと発表作品

日本のアーティスト

  • ミルクぱく子「めぐりを編む花園」:使用済みの牛乳パックをさまざまな技法で加工し、花や葉、水を表した作品です。下へ伸びる帯状の表現には、バンコクを象徴するチャオプラヤー川の流れが重ねられ、水のようにものが循環利用されていく様子を示しています。日本の暮らしで役目を終えた牛乳パックが、タイで小さな花園となり、命のめぐりを伝えます。
  • Yoko Ichikawa「風土譜」:日本の着物に使われるシルクと、タイ・チェンマイのコットン生地で制作されました。両国の樹木信仰に通じる自然への畏敬を背景に、樹々と人の暮らしや歴史との関わりを表現しています。生命の循環を意味するタイトルには、世代を超えて受け継がれる命のつながりが込められています。
  • しばたみなみ「境界線に鎮座する玉座」:都市開発で解体された家々の瓦礫からつくられた一脚の椅子です。デュシャンの『泉』へのオマージュとして洗面器の破片を取り入れ、街の変化によって価値あるものが廃棄物へと転じる、その曖昧な境界を表現しています。実際に座る体験を通して、開発がもたらす豊かさや、人が満たされることの意味を問いかけます。
  • 苫米地正樹「Revamic」シリーズ:タイの窯業廃棄物を用いた作品群です。失敗作品や使われなくなった土、釉薬、素焼きなどを、民芸品や広く親しまれる形に焼き固め、新たな質感と価値を生み出しています。「Revamic(リバミック)」は、「revive(甦る)」と「ceramic(陶磁器)」を組み合わせた作家独自の造語です。

タイのアーティスト

  • PRATCHAYA CHARERNSOOK「存在の証拠 2」:砂浜で直接採集したマイクロプラスチックを、作家自身の足跡の形に並べた作品です。便利さを求めて生み出され、自然に放置されたプラスチックを、人間の営みが地球に残す「足跡」として表しています。海辺に残る小さな破片から、現代の暮らしが環境や未来に与える影響を問いかけます。
  • PRACH PIMARNMAN「Invisible Shore」:漁網やプラスチック製の浮きなどの漁業廃材に、赤レンガ、白土、砂、炭を重ね、移ろう海辺の風景を表現した作品です。現地で録音した環境音とともに、土地を離れた人々の記憶や使われなくなった物の痕跡をたどり、海辺から失われたものと残されたものに目を向けています。
  • SNACKBAGBOY「“生きがい”ランド」:日本語の「生きがい」をテーマに、見過ごされてきた廃材の形や表情を生かして、素材の新たな価値を探る作品です。かつて誰かの暮らしの一部だった素材の背景に目を向け、一つの役割を終えた後にも別の役目や意味が生まれる可能性を表現しています。見慣れた物や役目を終えたとされる素材を、新たな視点で捉え直すきっかけを提示します。
  • TEETUCH HONGKONGKLA「Overgrown III」「Blackble」「Frosty II」:廃棄されたプラスチック袋を熱で圧着・溶融し、幾層にも重ねた3点組の作品です。素材の色や透明感、光と影、包装に印刷された文字が重なり合い、抽象的な画面をつくり出しています。美しい表現の中に元の素材の痕跡を残すことで、ものをつくり、使い、捨てるという日常の営みを見つめ直し、これから何を手放し、何を残していくのかを問いかけます。

会期中にはサイドイベントとして、バンコク都民を対象にしたブックカバー制作ワークショップと、アーティストによるアート作品やプロダクトのポップアップストアも実施されました。展示やレセプションで感じた魅力を、実際の暮らしに取り入れるきっかけとして企画されたものです。

制作風景:Yoko Ichikawa
制作風景:Yoko Ichikawa

開催概要と主催者について

  • 会期:2026年10月1日(木)〜15日(木)
  • 会場:サイアム髙島屋4階イベントスペース(ICONSIAM内)
  • 主催:株式会社中特ホールディングス、ACTA+
  • 後援:在タイ日本国大使館、バンコク都(BMA)、JETRO バンコク事務所、タイ国日本人会、在福岡タイ王国総領事館
  • 特別協賛:伊藤園タイランド、やまぐち県酪乳業、When Life Gives You Lemons、banromsai
  • 協力:サイアム高島屋、White Canvas、St Andrews International School Bangkok

ACTA+は、国内外約600名のアーティストネットワークを通じて、企業活動の中で生まれた廃棄素材からアートを生み出し、持続可能な社会に新たなナラティブをもたらす活動を行っています。廃棄物処理業をルーツに持ち、廃棄素材とクリエイティブの両方の専門性を備えたチームが、これまで限られていたサステナブル施策にクリエーションという選択肢を加え、企業のサステナブル活動に新たな可能性を切り開くことを目指しています。これまでに、オリックス・ホテルマネジメントとのサステナブルツーリズム企画、三井不動産・イトーキとのパブリック・アート企画、マツダとの空間演出企画、良品計画とのアート企画などを手がけてきました。

出典:ACTA+

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