三浦しをん『南から聞こえる歌』、村上早の版画『空飛ぶ包丁』を配したカバーと帯が公開

株式会社新潮社は、三浦しをんさんの短篇集『南から聞こえる歌』のカバーと帯を公開しました。刊行は11月18日(水)です。カバーには新進気鋭の村上早(むらかみ・さき)さんによる版画『空飛ぶ包丁』が使われ、装幀はデザイナーの仁木順平さんが手がけています。

長篇でも短篇でも読まれ続ける書き手
三浦しをんさんは、『舟を編む』『まほろ駅前多田便利軒』『風が強く吹いている』など、映画化やアニメ化もされた長篇で知られています。その一方で、『きみはポラリス』『天国旅行』『夜の恩寵』(2026年、泉鏡花文学賞受賞)といった短篇集もロング&ベストセラーになっており、当代随一の短篇の名手でもあります。
新刊『南から聞こえる歌』は全6篇を収めた短篇集です。各篇の内容はそれぞれ独立していますが、共通したテーマのもとで書かれています。10年あまりの歳月をかけて、愛と世界のさまざまな側面が描かれています。
カバーを飾る版画『空飛ぶ包丁』
カバーに使われた村上早さんの版画『空飛ぶ包丁』では、鳥たちが無数の包丁を運んでいます。届け先で何が起きているのか、なぜ包丁が運ばれるのか。見る者に不穏で不気味な想像を呼び起こす図像です。
一方で、けなげな鳥たちの姿などからは、包丁が邪悪な世界に風穴を開け、眼下に広がる牧歌的な集落に平穏な日常を取り戻すための武器なのかもしれない、という想像も誘われます。三浦さんはこの版画に魅入られ、「是非、カバーで使わせて欲しい」と熱烈に希望したといいます。
異界とつながることで訪れる救い
本書に収められた物語では、異常気象が何年も続き、もはや異常が平常になってしまった薄暗い世界や、退屈極まりない暮らしが舞台となります。そこで「日常の向こう側=異界」とつながることで異変が起き、救いや光がもたらされます。この作品世界を、仁木順平さんがクールな装幀に仕立てました。
著者のコメントと書籍情報
三浦さんは本書について、日常のなかのちょっと不思議な瞬間や、ひとときのきらめきなど、いろいろな味つけの短編を用意したとコメントしています。さらに、登場人物それぞれの暮らしや来し方行く末、いまの社会や世界情勢について、読者が「なんとなーく」思いを馳せてくれたらとてもうれしい、と述べています。
三浦しをんさんは1976年東京生まれ。2000年に『格闘する者に○』でデビューしました。2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年に『舟を編む』で本屋大賞、15年に『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、18年刊の『ののはな通信』で島清恋愛文学賞と河合隼雄物語賞、19年に『愛なき世界』で日本植物学会賞特別賞を受賞しています。ほかに『墨のゆらめき』『ゆびさきに魔法』など、多くの著書があります。
- タイトル:南から聞こえる歌
- 著者:三浦しをん
- 発売日:11月18日(水)
- 造本:46判ハードカバー
- 定価:1950円(税込)
- ISBN:978-4-10-454109-6
出典:株式会社新潮社










